以前から変更すると言われていた傷病手当金の計算方法がついに変わることになりました。
平成28年3月以前であれば、傷病手当金の支給日の標準報酬月額だけで計算することができたのですが、平成28年4月以降については支給開始される前1年間の標準報酬月額を平均して計算するように変更されたのです。
平成28年3月以前から傷病手当金をもらっていた方については、前にもらった傷病手当金の金額と異なるため驚かれるかもしれませんが、このページで支給金額の変更について理解していただければと思います。
目次
傷病手当金支給額の変更点
上でも簡単に述べた通り、傷病手当金の支給額の計算方法は支給開始日以前の継続した12か月の標準報酬月額の平均から計算する方法に変わりました。
これにより傷病手当金の支給額が上がる方や逆に下がる方がいらっしゃいます。
上の図の通り、以前の計算方法は休んだ日の標準報酬月額を元に傷病手当金の計算を行っていました。
ですから傷病手当金を申請した期間の標準報酬月額がいくらなのかを調べれば、傷病手当金の支給金額を知ることができました。
しかし今回改正された計算方法では直近12か月間の各月の標準報酬月額を平均して支給額を計算することになりました。
傷病手当金を受給する直前に標準報酬月額が上がったり下がったりした場合でも、12か月間の平均とすることで不平等感が少なくなるのではないかと思います。
具体的な計算方法の例
それでは具体的な計算方法について説明します。
ポイントは上の図でも示した通り、「支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額」という部分です。
この中でも特に気を付けていただきたいのは「支給開始日以前」という部分です。
以前ですからその月を含めた前12か月分ということになります。
この点に気を付けながら具体的な計算方法を例に沿って計算してみます。
具体例
傷病手当金の支給開始日:平成28年6月1日
標準報酬月額:平成27年8月以前は26万円、平成27年9月以降は30万円
支給日数:30日
支給開始日を含む月から12か月分の標準報酬月額を合計しますので平成28年6月分の標準報酬月額からさかのぼって考えることになります。
この具体例では平成28年6月から12か月間さかのぼるため、「平成27年7月~平成28年6月」の標準報酬月額を合計し、12か月で割ります。
平成27年7・8月・・・・・・・・・26万円× 2か月
平成27年9月~平成28年6月・・・30万円×10か月
{(26万円×2か月)+(30万円×10か月)}÷12か月÷30日=9,777.777・・・(1円の位を四捨五入)
=9,780円
9,780円×2/3=6,520円(小数点第1位を四捨五入)
この具体例であれば、傷病手当金の支給日額は6,520円になります。
この例では支給日数が30日ですので、
6,520円×30日=195,600円
この金額が傷病手当金の支給額になります。
支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合
これまで傷病手当金の支給金額の計算方法の変更について説明してきました。
新しい傷病手当金の計算方法は、支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均して計算することがお分かりいただけたと思います。
しかし、入社して間もない場合には、入社日までさかのぼっても12か月に満たない場合があります。
この場合にはどのように計算すればよいのか確認していきます。
支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合の計算方法
支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合には次の方法により計算します。
支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額が28万円よりも少ない場合
支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額を30日で割り、標準報酬日額を計算します。
(支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額)÷30日×2/3=傷病手当金の支給日額
支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額が28万円よりも多い場合
28万円を30日で割り、標準報酬日額を計算します。
(28万円)÷30日×2/3=傷病手当金の支給日額(6,220円)
参考資料
病気やケガで会社を休んだとき-全国健康保険協会HP
傷病手当金・出産手当金の計算方法が平成28年4月1日から変わります!-全国健康保険協会資料
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- 投稿者: syoubyouteate
- 傷病手当金の計算方法
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2016年 4月 24日
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