傷病手当金の支給要件について、病気や怪我により労務不能であることが条件であると忘れて考えてしまう方が多いようです。
特に出産に関する休業を傷病手当金の支給対象に含めて考えてしまう事が多いと思いように思われます。
ここでは出産に関する休業と傷病手当金の支給について確認していきます。

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出産を控えている従業員が安全に出産するために「念のため」休業する場合には傷病手当金が支給されるか

出産を控えている方はいつから出産に備え休業に入るか、会社と相談して決めることになります。
休業の計画や復帰の計画を従業員と会社側で話し合い、お互い円満に休業に入ることが望ましいと思います。
しかし労働基準法上の産前の休業は、

6週間以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合は、その者を就業させてはならない。

と定められているにすぎません。
しかもこの労働基準法第65条は「就業させてはならない」とは書かれていますが、給料は有給にしなければならないのか無休でもいいのか、何も書かれていないのです。
そのため従業員は休業を請求した結果、無休で休むことになっても労働基準法上は問題がないのです。

ただそれでは法律上働かせてはならないと定めているのに、給料は無給となると労働基準法の目的が達成されない恐れがあります。
その法律の穴を埋めるような形で労働基準法ではなく健康保険法で出産手当金として生活費を保障しているのです。

少し話がそれましたが、出産を控えている従業員が安全に出産するために「念のため」休業する場合に傷病手当金は支給されるかという質問ですが、これは支給されません。
理由は傷病手当金の原則の通り、「病気やケガによる」休業ではないためです。
あくまでも傷病手当金は「病気やケガにより労務に服することができないこと」が条件であり、病気でもケガでもない出産は傷病手当金の対象にはならないのです。
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では出産を控えている女性が傷病手当金を受けられる場合とは

上の例では「念のため」休業する場合には傷病手当金は支給されないと説明しました。
ただし支給されない理由というのは「病気やケガ」ではないからです。
もちろん病気やケガにより労務に服することができないのであれば、傷病手当金は支給されます。
例えば「切迫流産」や「切迫早産」、「重度妊娠悪阻」があげられます。
病名は出産に関わるものではありますが、病気であり労務に服することができないと医師が判断する場合には傷病手当金として支給を受けられます。

傷病手当金として支給を受けられるのは、あくまでも「病気やケガのため」の休業であることがポイントになります。