退職後の傷病手当金を受給する場合については在職時の健康保険加入期間から引き続いて傷病手当金を受給していなければ支給されない等いくつかの制限があります。
《参考》
条件を満たせば退職後についても傷病手当金がもらえる
以前は任意継続被保険者についても傷病手当金を受給することはできたのですが、平成19年4月以降、健康保険法の改正により任意継続被保険者については傷病手当金を受給することができなくなりました。ただし、それは退職後には傷病手当金を一切受給できなくなるというものではなく、条件を満たした場合に継続給付を行うというものでした。
この項目では傷病手当金の継続給付期間に加入することができる健康保険について説明していきます。
平成19年3月以前
健康保険の被保険者であれば任意継続被保険者であっても傷病手当金を受給することができました。給付割合は一日につき標準報酬日額の6割。
平成19年4月以降(現在)
健康保険の被保険者であっても任意継続被保険者については傷病手当金を受給することができなくなりました。ただし条件を満たした場合に限り、傷病手当金の継続給付が認められることになりました。給付割合は一日につき標準報酬日額の2/3。
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傷病手当金を受給している場合の健康保険の選択について
上の図や説明を見ると、平成19年3月以前と平成19年4月以降(現在)では任意継続被保険者に支払われない分だけ平成19年4月以降(現在)の方が給付が縮小されたかに見えます。
ただし、任意継続被保険者に対する支給が行われなくなったことをもって、必ずしも給付が縮小されたとは言えません。
まず1つ目に給付割合が上がりました。
平成19年3月以前は標準報酬日額の6割でしたが、平成19年4月以降(現在)は標準報酬日額の2/3です。2/3はパーセントだと66.7%ですので、平成19年3月以前と比べて6.7%も給付額が上昇した事になります。
2つ目に任意継続被保険者である必要がなくなりました。
平成19年3月以前は任意継続被保険者であることが条件であったため、傷病手当金を受給している被保険者が退職した場合については任意継続被保険者を選択する必要がありました。たとえ保険料が高かったとしても、傷病手当金を受給するために任意継続を選んでいたのです。しかし平成19年4月以降(現在)はその必要はなくなりました。在職中から傷病手当金を受給している等、いくつかの条件を満たすことが必要ではありますが、任意継続以外の保険に加入していても傷病手当金を受給できるようになりました。
退職後に加入する健康保険についてはいくつか選択肢があります。
- 任意継続被保険者
- 国民健康保険被保険者
- 家族の被扶養者
現在は傷病手当金を受給したいからといって任意継続被保険者を選ぶ必要はありません。家族の被扶養者であれば健康保険料が発生せずに健康保険に加入することができますし、国民健康保険被保険者であれば任意継続被保険者よりも保険料が安くなることもあります。
退職後の健康保険については現在であればどの健康保険に加入していたとしても傷病手当金の継続給付を受給できるので、できるだけ負担の少ない健康保険に加入し、支出を抑えて治療に専念できるようにしましょう。
- 任意継続被保険者
- 国民健康保険被保険者
- 家族の被扶養者
があります。
現在傷病手当金の継続給付については任意継続被保険者であることは条件に含まれていないため、どの健康保険制度を選ぶことが可能です。