現在妊娠中で、12月に出産予定です。
会社からは11月から産休と言われましたが、体調を考えて、念のため少し早めに産休に入りたいと思っています。
この場合には、傷病手当金をもらうことはできるでしょうか?

産休期間前の休職について、傷病手当金がもらえるかという質問ですが、最初に出産手当金という健康保険の給付金について説明し、その後傷病手当金の受給の可否について説明していきます。

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産休期間中の給料の法律上の取扱い

最初に産休期間中の給料の法律上の取扱いについて説明します。
出産を控えている方はいつから出産に備え休業に入るか、会社と相談して決めることになります。
休業の計画や復帰の計画を従業員と会社側で話し合い、お互い円満に休業に入ることが望ましいと思います。

しかし労働基準法上の産前の休業は、

6週間以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合は、その者を就業させてはならない。

と定められているにすぎません。

しかもこの労働基準法第65条は「就業させてはならない」とは書かれていますが、給料は有給なのか無休なのか、何も書かれていません。
そのため労働者が産休を請求した結果、無休で休むことになっても労働基準法上は問題がないのです。

しかし法律で働かせてはならないと定めているのに、給料は無給になってしまうなら労働者は産休を取りにくくなり、産休の制度が形骸化する恐れがあります。
その法律の穴を埋めるような形で、労働基準法ではなく健康保険法で出産手当金として生活費を保障しているのです。
これが出産手当金が存在する理由です。

しかしこの出産手当金の支給の対象になる期間は、産前6週間(42日間)と産後8週間(56日間)に限られます。
産前6週間より早い時期から産休を取ることになっても、出産手当金は支給されません。

補足双子以上の場合には産前6週間ではなく、産前14週間が産前休業の対象期間になります。

出産を控えている労働者が安全に出産するために「念のため」休業する場合には傷病手当金が支給されるか

出産を控えている労働者が安全に出産するために、念のため休業する場合に傷病手当金は支給されるかという質問ですが、この場合は支給されません。理由は傷病手当金の制度は、病気やケガによる休業が条件になっているためです。出産は病気でもケガでもないため、傷病手当金の対象にはならないのです。

妊娠中の女性が傷病手当金を受けられる場合とは

ここまでは念のため休業する場合には傷病手当金は支給されないと説明しました。しかし支給されない理由というのは「病気やケガ」ではないからです。出産に関するものでも、病気により労務に服することができないのであれば、傷病手当金は支給されます。
例えば切迫流産切迫早産重度妊娠悪阻(重度のつわり)があげられます。

出産に関わるものではありますが、これらは病気であり労務に服することができないと医師が判断する場合には、傷病手当金として支給を受けられます。この場合でも、担当医師に傷病手当金支給申請書に労務不能である旨の証明をしてもらって申請することになります。

まとめ

  1. 傷病手当金はあくまでも病気により労務に服することができないことが支給の条件です。
  2. 出産は病気ではないので、原則として傷病手当金の対象にはなりません。
  3. しかし切迫流産や切迫早産、重度妊娠悪阻(重度のつわり)などの病名が付く場合には、傷病手当金の支給の対象になり得ます。